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四月は君の嘘 感想つれづれ①

ミュージカル 四月は君の嘘 @2022年5月8日〜29日、東京 日生劇場

 

の感想をまとめてみるよ!

私は小関裕太さんのオタクで、水田航生さんも大好きなので、感想はこのペアに寄っています!

そして小関裕太くんの歌声や演技が大好きなので、多分贔屓目に観てます!

とはいえ木村達成くんと寺西拓人くんのペア、小関寺西ペア、木村水田ペア、も1回ずつ観たので、比較も少し含めながら振り返ってみます。

 

もう気づいてるかもしれないけど、完全なネタバレ、というかネタバレしかしないので、

まだ観てなくて、これから観るよ!という方は

ここで閉じて!お願い!!!

 

 

 

まずはオープニングから、

 

M1 僕にピアノが聴こえないなら

ここで長調の曲なのにものすごい苦悩を表現することで、一気に物語に引き込むのすごい。

 

小関公生の、ここでの苦悩と絶望がいつもすごい。圧倒される。

柔らかい優しい声の呟きのような、「なぜ聞こえない」から始まる歌。

呟くような歌い方で始まり、段々とことの重大さを感じさせ、

「聴こえない…」というセリフで絶望に突き落とされる。

そこからの、恐怖と絶望に殺されそうな、叫ぶような、この歌に釘付けになる。

鍵盤をガンガン叩いて、手が壊れそうに叩いて、聴こえないことへのショック、受け入れられない苦しみが、地獄のようなことだったんだとここでわかる。(大体ここでもう泣く)

 

あと、曲の最後が必ずクレッシェンドで伸ばしながらものすごい声量で終わるのもほんと好き。そこにほんの少しこぶしというか、声をくるっとめくって終わるのと、(ああいうのなんていうんだろう)

わざとらしくないビブラートが、本当に感情の震えのようなビブラートなのが、めちゃめちゃ心に響く。

 

たつなり公生は、もっと、歌っぽい、

歌がうまいんだな、がわかりやすいというか。

安定した音、安定した声で始めて、もちろん絶望もするんだけど、地獄のような絶望というよりは、暗闇に閉じこもったんだな、という感じ。

 

この時点で既に、

小関公生は、ものすごい恐怖と悲しみに襲われ、トラウマになって、その蓋を開けないように何も感じないように生きていく

 

たつなり公生は、真っ暗闇に閉じ込められて、同時に自分の心にも鍵をかけて、人との関わりを諦めて生きていく

 

というスタンスの違いが明確になる。

 

M2 掴み取れ、の歌 (僕らの時間)

公生と椿の関係が、

小関公生: 唯一、遠慮なく話せる女の子で、兄弟みたいな関係

たつなり公生: くされ縁(一言で済ますな)

という感じなの面白くないですか?

たつなり公生は、ほかの女子とも多分喋れるけど、コミュニケーションを拒否してて、椿だけはまあ話す、みたいな感じ。

小関公生は、女の子と話すのも苦手、笑顔で受け流すのが普段で、椿にだけは憎まれ口叩く、みたいなモテないキャラ感が出るのなんですかね。

 

で、渡との関係も、ちょっと違って、

小関公生と水田渡→ 公生をほっとけない、世話焼きな渡 でも渡の心のオアシスが公生

たつなり公生と寺西渡→ 席順で仲良くなった二人 本当は強そうな公生を渡が一目置いてる

みたいに見えました。

ちなみに、小関寺西だと、二人ともいい奴過ぎて、なんで仲良いのかちょっとわかんない感じはある…

(本気でケンカとかしそうにない) 

木村水田だと、つれない公生に絡まずにいられない渡、になる感じ。

この二つの組み合わせは1学期*に観ただけなのでそのあと変わってるかもしれない。

1学期*…四月は君の嘘公式さんが、東京公演期間を休演日を境に1学期、2学期・・・と数え始めたのだが、休演日が3日あったので、3学期のあとは・・・?とざわついた。結局、2回目の休演日の前後はいずれも2学期、ということで着地。

 

後半のアンサンブルさんの盛り上がりで、まずゾクゾクするよね。キラキラした青春の物語なんだ、と全身で感じるし、彼らの本気が伝わってくるの、めちゃめちゃ気分が盛り上がる。厚みがすごい!ここから始まるぞ!感。

ちなみにここはいつも、めいちゃん*ともえぎちゃん*に釘付けになってます。

めいちゃん*…片岡芽衣さん

もえぎちゃん*…飯塚萌木さん

 

M3 Perfect ショートVer. 公園での出会い 

木にかかってる靴を取る時、

「何かの目印?」のあと、「魔除けかな?」っていうの、小関公生だけだよね???

魔除け!って!!!

完全に小関公生じゃん(?????)

このセリフでも、この後の周りを見渡してピアニカの音色聴いて、かをりちゃんに出会うまでの動きでも、小関公生はふわりとしてて世界を優しく眩しくみてることがわかる。

 

たつなり公生は、フラットに、あまりいろんなことを感じないように生きてる様子。

 

かをりちゃんに何持ってんのよ!と凄まれるときも、小さくなってすごく慌てて引き渡す小関公生と、びっくりして呆気に取られるたつなり公生。

 

かをちゃんを紹介されたときの水田渡のデレデレっぷりいいよねー。ときめいてる感!いや、あまりにもここでときめかれるとその後ツラいんですが…

 

音楽ホールに連れていかれる公生も、小関くんは引っ張って連れてかれてて、たつなりは戸惑ってるけど押されたら素直に動いてた。意志がないたつなり公生と、なるべく静かにしてたい小関公生。

 

ここの、かをちゃんとの出会いのシーン、初日前はここが一番心配だった、実は。

ピアニカ吹きながら泣いてるシーン、まず振り向きざまに泣いてるかどうかわかりづらいし、あの大写しのコマ(アニメも漫画も)はビジュアルインパクトのためのコマという部分が大きいから、舞台上ではどうするのー?と思ってたら、

泣いてる、はセリフでカバーしつつ、

歌わせる、でドラマチックにする!は、なるほどー!と思った。

しかも、漫画でよくある花背負った絵を、背景に大胆に花をあしらうことで、象徴的な春の風景として使っちゃう、って天才じゃない???

しっかり再現したセットだったらあの背景使えないんだけど、ここであのシンプルで何にでもなる階段セットにしたメリットが!!!

急に漫画調の背景にしてもおかしくないの、賢すぎる。

 

急にセットの話になるけど、

このシンプルなセットの使い回しが、観客の想像力をかき立てるようになっていて、

だから、こんな教室じゃなかった、とか、こんなホールじゃなかった、とか、原作知ってる勢の“じゃなかった”を起こさない、すごいいいアイディア。

アンサンブル含めた衣装や曲で、どんなシーンかはわかるから、初見勢からしても想像で補える。

私は、この作品についてはこのセット勝ちだったと思ってる。

(でもセリフ中にガチャガチャうるさかったのは勘弁してほしい…公演中少し改善されたけど…再演の時は対策をお願いします…)

 

M4 One Note

でやっとホールだよ。コンクールだよ。

ひのあらたさんがカッコいい…みんな言ってたよー…

この曲すきー。キラキラした日常から真剣勝負の緊張感に一気に変わる。

そして分厚いコーラスで気分が昂揚して、公生の戦っていた世界が見えるのと、公生のこの世界での存在感が提示される。

 

M5 Perfect  (ここに冒涜だ!の歌*も入るらしい)

壁と隙間と、階段と盆の使い方いい。

このPerfectで、かをりが本当は公生に出会うためにここにいることを示せているかな?

ここは、少し中途半端に感じてしまっていた。

はっきりと提示して、公生のじれったさを見守る物語にするのか、敢えて隠して、展開と共に少しずつ滲ませるのか、

隠してるけどかをりの仕草とかでもっと匂わせられたら良かったのかなー。

 

弾いてる曲にミュの曲被せて、その演奏が周りにどう聴こえてるかを表すのほんと天才。

不協和音の曲*が好き。

ここで弾き始めて曲が変わっていくところで、公生が顔色を変えてゆっくり立ち上がっていくところも好き。小関くんの表情演技が最高なのだが、スポット当たってないのがもったいない…

冒涜だ!の歌*、不協和音の曲*…かをりが型破りな演奏を始めた時に、コンテスタントや審査員がそれに違和感を唱え始める歌。

 

M7 One Note 

ホール内のざわめきに対して、オーディエンスのざわめきの質の違いも歌で表現してた。すき。

翼くん*(三池くんな)のキャラの立ち方がとても良い。原作の三池くんが大きくなったら翼くんになる!

翼くん*…中村翼さん。なんとポケカ世界チャンピオンらしい!

 

M8 映画みたいに

小関くんの声が、優しくてうっとりしてて、しかも心の呟きがそのままメロディーになって出てきたような歌い方で、

これって、意外とできる人少なくないですか???

ちなみにたつなりはとても甘い声で上手に歌うのだが、歌う声が少し高いんだよね。話すときあんなにトーン低いのに。

 

あっでもこの曲の終わりで、公生とかをりが二人になって盆ですれ違うところ、かをりが公生を見てるのに公生が気づかない…描写あったね!

初見の人はここでかをりが本当に好きなのが誰か気づくのかな???

 

***

 

 

おっと、もう3000字余裕で超えてるのやばい。まだ1幕の半分では………

 

最後まで行けるのか心配だぞ。

でも気長にお待ちいただければ。