ずっと見ていたいんだ。

舞台を観たり映画やドラマを観たり好きな人をみていたり。

舞台「ジャンヌ・ダルク」 東京公演中日を過ぎて

舞台「ジャンヌ・ダルク

なんと9年ぶりに再再演。

https://i.ytimg.com/vi/yNif2eDxPuk/mqdefault.jpg

始まったと思ったらもう東京公演の終わりが見えてきた・・・!!!

 

感想がどんどん溜まって忘れそうなので、そろそろアウトプットしておきます。

 

公演自体の詳細はこちらへ

jd2023.jp

はじめに

 

発表された時、清原果耶ちゃんがジャンヌダルク、は本当に納得!!!した。

あの凛として強い透明な美しさは、ジャンヌダルクにぴったりすぎて。

果耶ちゃんに出会って再演したくなった、ってすごいわかる。

 

でも、シャルル7世が小関裕太は結構びっくりした。

まず、舞台スパンが短い!!!5月までキングダムやってたばっかりじゃん。

(年1舞台のイメージだったから)

そして、過去のシャルル7世みんなベテランだし。

何より、アミューズペアで外部制作のこの舞台を任せるの???とか。

(まあこれは色々な事情があったんだろう・・・知る由もないけど、なんとなく)

びっくりはしたけど、フランス王シャルル7世=小関裕太は”わかる”過ぎて首がもげそうにうなづいた。王族の血が流れているとしか思えないあのノーブルさはそりゃあ王にしたくなるよな。あの嬴政見たら尚更だよね。

 

さていつもの通り容赦なくネタバレしていきますが、

まだ見ていない方は回れ右でお願いします。

いやこれは絶対ネタバレしないで劇場で見た方がいいです!!!!!!!

円盤も出るけど(言霊)、これこそ劇場でしか絶対に味わえない迫力なので、

まだ東京も、大阪もこれからで、チケも買おうと思えば手に入ると思うので、(当日券も毎日出てます)

絶対に劇場へ行ってください!!!!!後悔はさせません!!!!!

 

 

さていくよーーー。

 

みた直後の脳直の感想から

 

どこまでが舞台でどこからがステージかわからない!ずっと目の前に人がいる。
すごい迫力。自分も戦場にいる感覚。
通路にもずっと止まってたり、最初はエキストラキャストとか兵士の人が降りるのかなと思ってたら果耶ちゃんも坪倉さんも島村くんも待機してる。

初日は最前列下手だったんだが、いきなりかやジャンヌが階段下まで降りてくるから本当にびっくりした。

もちろん劇場入った瞬間から、このすごい八百屋舞台といい客席側が階段になっている作りといい、絶対客降りあるとは思っていたけれど、”客降り”なんてもんじゃなかった。そこは戦場だった。目の前をガンガン兵士が走っていくし、人が転がってくるし、旗が横を通っていくし、明らかに私たちも14世紀のフランスにいた。まさに体感。

そしてものすっごい数の人。人人人。人人人。1階客席を駆け巡る兵士たち。想像力とかなんとかじゃなく、本当に戦場をそこに生み出す方式。すげー。こんな舞台あるんだ。

 

キャスト所感

清原果耶ちゃん

果耶ちゃん横顔美しすぎた。鼻高ーーーい。

ジャンヌは聡明さ、強さが際立つ。
果耶ちゃん、声の出し方が全然違う!太い低い声。お芝居素晴らしいけど、初日はセリフは少しまだ抑揚がないかもしれないなと思った。初舞台だもんな。緊張してたんだろうな。日を追うごとにメリハリも出てきて、声も太く低い中に可憐さも現れてどんどん良くなっていく。笑顔をこぼすシーンなんかもあるし、がつっと対峙するシーンの強さも増してる。始まる前から期待大だったけど、本当に期待以上だった。

まっすぐで迷うことないジャンヌについて行きたくなるし、その説得力のあるかやジャンヌだった。

 

小関裕太さん

シャルル美しいーーーーー。。。。。。。
息を呑む美しさ。衣装が似合うのなんの。
でもぐずぐずし、癇癪を起こし、弱くて優しくて自信がなくてイライラしている子供な王様で、最初はかなりイライラする。キャンキャンしてる。

シャルルは序盤、本当に頼りないしなんだコイツ!みたいなヘタレっぷり。みんな嫌いになるじゃん!って心配になるくらい。(ここに小関くんの独特の甘い滑舌が絶妙にマッチしてイライラさせる) 処女検査に慌てるあたりの若さ、ジャンヌを希望と感じて縋ろうとする感じ、何もない自分の支えというか武器としてジャンヌを手に入れた喜び方、微妙な親近感、若さゆえの愚かさの表現が繊細且つ大胆で、ダメな王の姿が痛々しいくらい。

そしてこのジャンヌへの縋り方、一つ一つの仕草や表情が全部伏線になっている・・・!!!最後秘密が明かされたところから脳内プレイバックでめちゃめちゃ感動した。

戴冠式の美しさは本当にーーーー!!!!!ねえ!!!!!推しの戴冠式に出たんですよ私!!!!!!推しが戴冠式を迎えるって幸せすぎませんか!!!!!!!

あのロイヤルブルーにゴールドのユリの紋章が散りばめられたマント、真っ白なツイードのインナーローブ、白いフワフワケープの似合うこと似合うこと!!!!!!!荘厳で神々しい美しさ、ノーブルさ、本当に王だよ、王でしかないよ!!!!!!!頼むからあの舞台写真をくれ。歴史に残してくれ。

(しかしここ、下手からだとたくさんの舞台上の人の壁に阻まれて見えなかった。絶対センブロがおすすめの舞台)

王になる頃の白地にブルーの刺繍のローブも、本当によく似合う。似合うだけじゃなくてお衣装捌きも美しく、ひらっ、ふわっとさせて去っていく後ろ姿の美しさはキングダムのときと同じー。あのワンピースみたいな服着てても圧倒的なスタイルの良さが強調されるってすごくない???

そして、シャルルのそこからの成長が、本当に丁寧に繊細に表現されて、役者小関裕太のお芝居が物語の波を丁寧に掬っていた。

特に2幕、ジャンヌの秘密が明かされ、王としての立場と血を分けた妹を天秤にかける苦悩、王としての苦渋の決断、それでもジャンヌを守ろうとし、それを受け入れず死を選んだジャンヌの生き様を知り、シャルルが王としての道を掴んでいく姿は本当に見事だった。

あんなに頼りなく、イライラした子供だったシャルルが、なぜ後に勝利王と呼ばれ百年戦争を終えることができたのか、その歴史をお芝居で見せる小関裕太はすごい。
ラストシーンはシャルルがただ1人0番で、決意を新たに誓う。素晴らしかった。日に日に泣けた。心の中の熱いものを客席に余すことなく伝える無言のお芝居をさせたら天下一品。

 

りょうさん

さすがの貫禄。いろんなものを企んでる、でもシャルルのことも考えてる強かな女王感すごい。決して甘くない、厳しそうな、でも実は葛藤してる母がとても見事。

 

山崎紘菜さん

マリーはとにかく一途にシャルルを案じ続ける良い妻ではあるのだが、個人的好みとしてはもうちょいメリハリがあってもいいかもしれないなと思った。シャルルに対する感情が、もっと複雑だと面白いなと・・・これは脚本のせいかもしれないし、敢えてただ愛の人に演出しているのかもしれないけれど。


神保さん

本当に…食えない感すごい。でもただの悪い人ではない。価値観が違う人、を見事に体現されている。

 

坪倉さん

とてもよくてびっくりしちゃった!お笑いの人っぽさがない。冷静で、ちょっと捻くれてて、でも頼りになる、人間くさくてかっこよい。

 

島村さん

急なキャスト変更で大変だったと思うけど、まっすぐでとてもとても良かった。初日はなんか他の濃いキャストにちょっと埋もれそうだったんだけど、そのあとぐんぐん良くなって、ジャンヌ救出の巻では本当に泣かせてくれた・・・。


福士さん

最初全然わかんなかった!キレッキレでガラ悪くて、怖い敵なのになんか憎めなくて、本当はジャンヌが気になるのがすごく良かった。

殺陣があんなにかっこいいんですね!なにあれ!!!ずるい!!!好きになっちゃうじゃん!!!スリルミーの彼より、映像で見せるちょっとソフトさのある感じより、私はこっちが刺さった!!!

 

岡田浩暉さん

いやああの存在感。敵なのになんか信頼しちゃいそうになるのなんでや。

そんなに出番ないはずなのにただの敵じゃなくて、ジャンヌに一目おく、愛すべき敵になっちゃうのずるいんだわ。

 

榎木孝明さん

ルールにあぐらをかき、プライドが高く、浅はかで人間臭い高い地位の聖職者が本当に上手。

(ただ、初日もその後もセリフがちょっと怪しくてその度にヒヤヒヤした・・・)

 

岡本拓真くん

幻影の少年、本当にふわふわしていて本当に幻影なんですよ。明らかに幻影なんですよ。しかも、出てきていきなり、”シャルル”って思うくらい存在のオーラが似てるんですよ。幻影の少年出てくる時、後ろにぼやっと投影されるシャルル7世が小関くんのシルエットすぎて萌える…あのスタイルは小関くん…

補足

他のキャストさんも素晴らしいのだけど、このメインキャストたちのどっしり感がすごくて、シャルルのシーンでは、りょうと神保さんがシーンの重さを与え、ジャンヌのシーンでは坪倉さんが地に足をつける。でも、そのどっしり感の中に波を与え、物語を動かし、繊細な機微を作っていくのがシャルルで、清涼感と祈りの力で前に進めていくのがジャンヌ。キャスティングが大成功すぎる。

 

シャルルに対しては、ただでさえイザボーがひどかったのに、ヨランドも味方かと思えば返され、誰の言葉を聞けばいいのかわからなくなる会話劇も見どころ。りょうさん素晴らしい。

 

感想諸々

初日の殺陣は、結構もたもた感を感じてしまった。でもさー、比較対象が多分キングダムになっちゃってるんだよな。あの殺陣が異常にレベル高かったからな。福士さんは素晴らしかったです、殺陣。

 

あと、これは個人的な数少ない観劇体験からの感想なんですが、

歴史物を舞台にするとき、歴史の中のすごくミクロな部分に焦点を当てて、人物や関係性のドラマを浮き彫りにしていくというのはよくあると思うんですが、ジャンヌダルクは、人数やプロジェクション、セリフを上手く使って、ミクロにとどめず、その時の世界情勢もうまく表現しているなあと思う。スケール感が大きく感じられる。(とても世界史の勉強になる)(世界史はギリシア人の名前が覚えられなくて紀元前で脱落した人)

 

いやー、見ると体力使うんですわ。何しろ戦場に行かされるし、戴冠式に参列するもんで。でもなんか全身で感じる観劇。すごい。

 

まだあと数回見に行くので、また感想書きます!!!