ずっと見ていたいんだ。

舞台を観たり映画やドラマを観たり好きな人をみていたり。

舞台「ジャンヌ・ダルク」書ききれてない思いを綴る記事。

舞台「ジャンヌ・ダルク」も東京は残すところあと数公演。

 

前回、

harutreasure1.hatenablog.com

この記事を書いたけど、あまりに書ききれてないことが多すぎて、

ちょっと忘れないうちに書いておく。

 

 

 

演出について

(初演と再演は拝見していないので)今回、再再演のジャンヌ・ダルクは、ジャンヌの物語とシャルルの物語の二つが交差し影響し合いながら違う二つの波で進んでいく構成。これは本当に果耶ちゃんに対して小関裕太くんを配したキャスティングだから成立する描き方。

ジャンヌとシャルルを対比させて、二つの波を浮かび上がらせる演出が何度か出てくる。

神に真っ直ぐ迷いなく祈るジャンヌと、自分の迷いと不甲斐なさに絶望しながら神に縋るシャルル。

孤独なシャルルの状況を知り、哀れみ同情するジャンヌと、王の地位にありながら本当に信頼できる周囲に恵まれず、孤独を深めて、自嘲するシャルル。

ジャンヌからもたらされた神の声を希望として無事戴冠式を迎え、感無量の表情を浮かべるシャルルと、神の声を失い未来が見えなくなって不安に苛まれるジャンヌ。

捕虜となったジャンヌを苦悩の末助けない決断をする、自由になれないシャルルと、捕虜となってシャルルから救いの手が届かないことを知り、一人で闘うことを誓うジャンヌ。

事前の番宣でもずっと思っていたけど、果耶ちゃんと小関くんの、どことなく似た透明感が、二人の対比を浮かび上がらせるというか、単に場面を対比しているというより、2本の金のリボンが絡みながら違う方向に流されていくような、二人の隠された関係を象徴するようなイメージをもたらす。なに言ってるかわかんないですよね・・・いや私のイメージの話ですよ・・・

 

ラストシーン、あの長い時間を小関シャルルがほぼ表情だけで観客を惹きつけるの、本当に難しいお芝居だと思うんですが、小関くんのすごいところは、表情だけでその先どうなっていくかを観客にしっかり伝えて、それも説明くさく、ではなく、内面の熱い想いが歴史を変えていくエネルギーを観客に渡していくというか、圧巻なんですよね。あれはキングダムの回想シーンから戻っていくときにも本当にすごいと思ったんだけど、役者小関裕太の真骨頂。

そして、拳をゆっくり上げて、兵士と一体となっていくラスト。この、ただ拳を上げる動作をあわせて、フランスの勝利に向かっていく姿を重ねていくシーン、初日は難しいんだな、って思ったんですよ。後ろを振り向けないシャルルに、群衆が合わせていくのが。でも、回を重ねるごとに、シャルルと兵士たちが一つになっていく感が出てきて・12/14は本当に素晴らしかった。シンプルだけどとてもとても難しい表現を、皆さんが心一つにするとこんなに美しく成立するんだなあと。

 

全体の流れについて

ストレートの舞台って、テンポ感が必要だからとても早口になるのはそういうものなんだと思うけど、私はあまり早口にされてしまうと、意味が入ってくるのに少しタイムラグが生じて、ついていくの難しくなるんですよね。特に、テンポの良いやり取りのはずが、セリフが滑るように転がっていって、聞き取れなかったり、気持ちが乗り切らずに流れてしまったりすると、すごく心配になる。

ジャンヌは始まって少ししてから、中日をすぎる頃まで、時々そういう回があって、ハラハラした回もあったんですが、最終週に入ってすごくセリフの乗りが良くなった。

丁寧に、はっきりと会話が聞けて、今日は聞きやすいなーーーと思ったんですが、終わってみたら、いつもよりむしろ早く終わってる!?

あれなんだろう。早口で喋るのは上演時間のお尻が決まってるからかと思ってたんだけど、そうでもないんだな、と気づきを得ました。

 

セットについて

本当にシンプル。舞台中央に奈落が開きっぱなしで、そこをうまく使っているのと、すごい八百屋舞台なのと、両サイドの柱以外は、なにもない。

窓の開いた壁になる板が何枚か、格子、あとは玉座の椅子と、火刑台と、王宮や大聖堂のタペストリーと。まあ100人が駆け巡るから大物はなくて、なんなら舞台袖側も走れるようになっている。おかげさまでサイドからでも大抵のシーンはよく見える。照明の使い方がとても良くて、照明を動かすことで時間を早送ったり、戦いのシーンでフラッシュのように刀を光らせたり。

でも!!!戴冠式の王冠を載せるシーンと、火刑台で処刑されるジャンヌのシーンが、舞台上の人が多すぎてセンブロじゃないと見えないのはちょっと!!!喧嘩売ってますか!?!?!?となる。(今回はアミュチケさんが比較的前方の良い席くれたけどさ・・・)

 

好きなシーンとか、まだ全然かけてないな・・・

千秋楽までには頑張ります。